部活という名の第二話

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悩んでいると授業の予鈴が鳴った。 「あらら。時間切れだね」 「そうみたいだな。まぁ当日の楽しみということで良くない?」 そう提案してみると笑顔で、 「そうだね。そっちほうが面白いからね」 と言って自分のクラスに帰って行った。 なんだったんだ、あいつは。 今日はもう喋りたくない。 そう思っているときってタイミング悪く不幸が重なる。 四時間全て終わり昼休みになった。 俺はいつも弁当を食べている天文部の部室に向かった。 部室に着き、いつも座る席に座り、弁当を食べようとしてるときに部室の扉がノックされた。 俺はこの部室に来るのは顧問の先生か一部の生徒だけと思い、いつもどおりに、開いてるよーっと答えてしまった。 ガラガラと音を立てながら天文部の扉が開く。そこには見知らぬ女生徒が立っていた。 「えーと。どちらさまで?」 今日は知らない生徒と縁があるな、と感じながら答えを待った。 「え、えっと。ⅡのCの倉橋 華菜です」 自己紹介をしたっきりだんまりを決め込んでしまった。 ⅡのCって俺と同じクラスか。 よーく見ると見知った顔だった。 見知らぬ女生徒って言ったの誰だよ、出て来い。 「まぁそこに立っていても話しは進まないから入っておいで。お茶くらいは出すよ」 「は、はい!」 緊張しているのか話しをかけないと答えてはくれない。 空いてる席の椅子を引き、こちらへと手で導いた。 大人しく倉橋華菜と名乗る少女は導かれるまま椅子に座り、そのまま縮こまってしまった。 勘弁してくれ、俺も話し上手じゃないんだよ。 そんな気も酌んでくれず、ただただ部屋は沈黙が充満する。 「えーそれで俺に何か用かな? それとも顧問の先生かな?」 この天文部の顧問は水瀬先生といい、保健室の先生をしてる。 たまに先生を探して、ここを訪ねてくる生徒がいる。 そういった場合は大抵先生が本当に部室にいるときであり、こういった場面は余りない。 「ち、違います。郡山くんに、用があるんです!」 緊張しすぎて声が大きい。 もう最後の方なんてこちらにも緊張が怪電波で俺にも注がれているようでこちらまで緊張しているよな錯覚さえあった。 本当に今日は最悪な一日である。
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