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蓑和眞は、学校からの帰り道をとぼとぼ歩いていた。
辺りは少しずつ暗くなっている。
もう少しバスの運転手さんのことが知りたい。
そうは言っても、次に出会える確率はかなり低いから尚更会いたいのだ。
あの明るくて優しい声がもっと聞きたい。
名前でも聞けたらなぁ、なんて妄想街道を直進しようとした眞の体が、何かにぶつかった。
その衝撃で自分の体も後退り、後ろの地面に尻餅をついた。
「痛ぁ~い」
目を開けて見れば、一人の女性が少し離れた地面に尻餅をついていた。
「ごめんなさい!」
眞はすぐに立ち上がり、女性に駆け寄った。
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