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眞は自分のことを後回しにして、運転手さんの顔を見ることに専念することにした。
入庫してきたバスは一旦お客さんを降ろし、空車のまま転車台に向かう。
そしてバスが白色でできた少し盛り上がった場所に入ると、バスが時計回りに回転してきた。
「あっ!」
眞は驚きを隠せなかった。
なんと運転手さんが彼に小首を傾げながら、微笑んでくれていたのだ。
「!」
声が出なかった。
初めて身体中に雷が貫いた。
改めて見返したときにはバスは百八十度回り、出口側に運転席を向けていた。
(僕は運転手さんが好きになった)
齢十七歳にしての初めての恋は始まったばかりだ。
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