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“おはようございます。このバスは塚沢口経由桜林行きです。発車まで、もう少々お待ち下さい”
この部分は乗務した運転手が必ず放送することになっている。
理由は簡単、この部分が自動放送の中にないのだ。
(あと二分)
口に出してはまずいと思い、心の中で発車時間をカウントしていく。
愛の運転するバスの後ろのスペースに、新たなバスが入ってきた。
それは出庫の合図。
“発車します、ご注意下さい”
とアナウンスを入れると、後部ドアを閉めた。
クラッチを踏み、シフトレバーを1速に入れた。
ゆっくり足の力を抜きクラッチを離していくと、緩やかにバスは走りだした。
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