辻野シン

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勉強しても無駄だと諦めていたから頭が良くなるわけがなく、地元の三流高校に入学。 そして今に至る。 …はあ。 なんで誰も助けてくれないんだろう。 こんなことを嘆いていると購買に着いた。 「すいません。メロンパンまだあります?」 「はいよ。一個120円ね。」 財布から代金を取り出そうとして中を漁ると、貰った一円玉が1枚と十円玉が1枚だけ。 しまった…金貰い忘れた…。 朝学校行く前に毎日貰ってるんだから、今日はいらないのとかぐらい聞いてくれよ…まったく。 親なんだからそのくらい気にしろよな…。 俺の気分は更に憂鬱になる。 「あの…やっぱりいいです…。」 「なんだい冷やかしかい?」 怪訝そうな顔をしながら購買のおばさんは手に持つメロンパンを引っ込める。 …はあ。 これでまた痛い思いをしなきゃならない。 今日は俺の17歳の誕生日だってのに…最悪だ。
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