辻野シン

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トボトボ歩いていると、じきに不良がいつもいる屋上の入口に着いた。 出来れば行きたくないが行かないよりはマシだろう。 重たい鉄のドアを開けると不良が3人笑いながら地べたに座っていた。 不良の1人が気付いたらしく俺に声をかけてきた。 「あれ?パシりのシン君じゃん。今日は誰のパシり?」 ムカつく顔でゲラゲラ笑っている。 「よう。メロンパン買ってきてくれた?」 さっき俺をいじめた奴が近付きながらニコニコ話しかけてくる。 「すいません…実は今日お金なくて…。」 「あ?」 途端に奴の表情が変わる。 「おい、手貸せや。」 奴の声に反応して残りの2人が近付いてくる。 3人による暴行。 人数が多い分痛みも多い。 「ごめんなさい!ごめんなさい!」 必死に謝るが奴等はやめようとしない。 何分ぐらい経ったろうか。 腕や腹がジンジンと痛む。 「おい、シン。明日はちゃんと金持ってこいよ。」 そう言うと奴等は去っていった。 …ああ痛い。 いつか絶対仕返ししてやる。 …いつか。
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