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その一言にはよく分からない力があり、僕はすっかり魔女にのせられていた。実際にアイツ等に勝てそうな気がする。
その言葉に続いて僕の後頭部にコツンと小さくて硬い石の様な物が当たった。濡れた手を拭いてからソレを拾う。魔女が僕に投げたのは黒い勾玉だった。触って見てみても何の変哲もない普通の勾玉である。
「その勾玉には能力を保存する力がある。今は念力が入ってるから役所で使え」
「これは魔女の能力で作ったの?」
「……あぁ、そうだ」
能力を保存する石も、無能が能力を使う方法も初めて聞いた。だからこの石を創りだす事が魔女の能力じゃないのかと僕は考えた。そして魔女は少しの間を置いて肯定。
「能力を使う時はこの石を所持した状態で使うぞーって思えばいいだけだし。能力を取っとくなら、そのとっときたい能力に石を当てりゃあいい」
そう説明された。能力を使う時は手足を動かすような感じらしいので、魔女の説明も適当だった。使おうとすれば勝手に使える、僕は昔そんなことを聞いた覚えがあった。
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