これからの僕と僕の役割

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 魔女は僕の家に本格的に入り浸る様になった。いや、もう住んでいる。僕が学校に行く時も、学校から帰ってきた時も家にいる。外出はしてるかどうか分からないが、してないんじゃないかと思う。腹が減れば僕に用意させ、喉が乾けジュース買ってこいとパシラされ、眠くなったら布団を敷けと言われる。  魔女の髪は長い。その為かどうか分からないが、魔女は風呂に入っている時間も長い。ひとり立ちした姉も入浴時間が長かった覚えがある。女性は髪の長さに比例して入浴時間が伸びるのだろうか?   同棲するのは初めてのことなので、洗濯物はどうするのだろうか? その疑問に魔女は「は? いいから洗えよ」とだけ言った。僕がいる前では服を着ていて、それなりに気を使っているのだろうと思っていたのだが性格は女性っぽくない。  魔女の尻に敷かれる生活が三日目に突入した時だった。 「なんかやりたいこととかない? できる限りのことはやってやるよ」  珍しくそんな事を言われた。僕をこき使う事に罪悪感が生まれたのかどうかは分からないが、僕の願いを言うことにした。どうせ無理なんだ。そう思って嫌がらせの様な事を僕は口にする。 「誰にも虐められずに普通に生活したい」 「分かった。なんとかしてやろう」  即答。  後はいつもどおり魔女にパシラれるだけで、その日が終わった。
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