序章

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その少年はアインと言った。アインは上機嫌で味の殆ど無いスープを椀に注ぎ、テーブルの前に座っている男、ゼロの前に置いた。 「結構だ。」 「でも、晩御飯を食べてないだろ?確かに美味しくは無いけど、これが俺の精一杯だし、毒も入れてないよ。」 ゼロはアインを見、一言 「俺は呪いのせいで、飲食を受け付けない体なのだ。」 「呪いって、そんなのいくら俺が子供だからって馬鹿にし過ぎだぞ!大体そんな体で生きていける訳無いじゃないか!」 馬鹿にされたと思い、怒るアインをゼロは表情一つ変えず、ただ見ていた。 「もう良いよ。俺だけ頂くからな?要るなら今のうちだぞ?」 「…」 「…やっぱり要るなんて言ってもやらないからな。」 そうアインはスープを流し込んだ。
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