序章

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次の日、ゼロはアインと共に憲兵隊の宿舎の近くに居た。 「あれが、姉さんが連れていかれた所だよ。でもあの中に何人いるかは分かんないから、慎重にいかないと…あれ?」 そう横を見ると先ほどまで隣に居たゼロが居なくなっていた。まさか逃げたのかと思いながらも視線を宿舎に戻すと、その宿舎の扉にノックをしているゼロがいた。 「ちょっ!ゼロ兄ちゃん早くもど…」 アインが言い終る前に扉が開き、中から憲兵隊員が現れ会話を始めたが、少しすると隊員話していたゼロが突然殴られた。すると、ゼロはその憲兵隊員に蹴りを入れ、そのまま招かれた客の様に歩いて中に入って行った。それを見ていたアインは全てが終わったと諦めていた。先ほど殴られた時に戻れば何かしらの策を講じれたが、手を出してしまっては無事に済むはずもない。アインはせめて中の人数が少ない事を祈るしか出来なかった。 が、それも露と消えた。形ばかりの哨戒から他の憲兵隊員が帰って来たのだ。その数五人。さすがに腕の立つゼロでも無事では済まないだろう。そもそも子供の自分が相手でしかその腕前を見てないのだから、本当に強いのかは謎なのだ。アインには、死なない事だけを祈るしか無かった。
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