15人が本棚に入れています
本棚に追加
「現代人ときたらどうですか?寿司と聞くと、ドイツもコイツも、春夏関係なしにマグロ、まぐろ、鮪、MAGURO……」
「あれ、なんか最後バンドの紹介みたいに言わなかった?ねえユイ?」
「しかもこれはマグロだけに限ったことじゃなくて、ネットで頼めば、冬にスイカを食べたり、春先に柿を食べたり出来るわけですよ。もう春夏秋冬ねじまげて好き勝手ヤッちゃってる訳ですよ。こんなんじゃ、旬なんて言葉はいずれ死語になって行きますよ。もうどんだけぇ~」
ふぅ~
言い切ったことへの達成感か、ユイは、制服の袖で額の汗をふき取って、今日もいい汗かいたぜ、どや。と自称爽やかな笑顔で夕日を見つめた。
「いや、ユイが最後に使った言葉が死語だから。ってか、じゃあマツコとバービーは何がのってるの?」
「いわばマツコもバービーもマグロと同じよ」
ふっふっふっ、とノドカの質問にユイは古臭い笑みを浮かべた。
最初のコメントを投稿しよう!