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勇斗「いえ、内容は確認して無いのですが、多分、昨日の事だと思います。緊急なら、電話が来ますしね」
久留橋「そうか。それにしても昨日?……あぁ、商店街の…。結構派手にやったらしいじゃない」
勇斗「俺じゃ無いですよ。それじゃ、いつもの場所で良いですか?」
久留橋「うん。それじゃ、またお昼に…」
軽く手を挙げると、自分の教室へと向かった。
2年D組の教室
教室に入ると、途中クラスメイト達から『おはよう』と挨拶され、適当に挨拶を返しながら自分の席に向かう。
???「お♪ゆうっち~♪おっは~♪」
勇斗「おはよう」
こいつは俺の隣の席の女子で、小倉葵。
小柄で童顔、茶髪のツインテールでよく小中学生くらいに見られるが、俺と同い年。
クラスのムードメーカー的存在だ。
佳明「うっす。遅かったな」
葵「よっしー、それを聞くのは野暮なんだよぉ~」
和正「そうそう。リア充爆ぜろって感じだけどな」
勇斗「リア充?身に覚えが無いが…」
和正「何が『身に覚えが無いが…』だ!朝、寮の前であんな可愛い子と話しておきながら!」
葵「おぉ♪」
佳明「ほぉ~」
葵は楽しそうに、佳明は含みを持った笑みでこちらを見る。
勇斗「朝?可愛い子?あぁ…」
葵「お♪本人も心当たりあるみたい♪マーサ、続き続きぃ♪」
和正「朝、オレが植木鉢に水をやりにベランダに行くと、ウチの寮の前で天女の制服着た可愛い娘が立っていてな」
葵「天女?!天女ってあの?!うわぁ!うわぁ~♪それでそれで?」
目を輝かせ、身を乗り出す。
和正「モデルの様な整ったプロポーション、綺麗なストレートの金髪を風に靡かせ、バックを両手で持ちソワソワするその姿。俺はピンッと来たね」
勇斗(俺が出て来るのをイライラしながら待ってたのか…)
和正「これは恋する乙女のしぐさ! 淡い恋心を燻らせ、今か今かと待つその可憐な姿!勇気を出して告白し、2人は結ばれる…。だがそこに待っていたのは困難な道。2人の恋を引き裂こうとする魔の手が迫る」
勇斗(ん?先生が来たか…。こうなると暫く駄目だからな)
俺達は頷き、佳明は自分の席へと戻っていく。依然として壮大なラブストーリーを広げていく和正を尻目に、ショートホームルームは進んでいった。
和正「やがて2人の恋は、世界を巻き込む戦争へと発展していく」
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