第1章~フォーティス~

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勇斗「そろそろ着くな」 アイギスは、風紀委員会の特殊部隊みたいな物だ。 天ヶ瀬学園は寮からほぼ1本道にある。ここは天ヶ瀬学園都市が作られた当初に開校した学園で、世界初のフォーティス養成学校である。 世界的にも珍しい、ヒューマンとフォーティスが同時通う学校でもある。 4年制で、各学年は8クラス、1クラスの人数は約40人だ。 ???「ん?おー!来た来た♪」 校門の所に立つ少女は、こちらに気付くと大きく手を振る。 勇斗「すみません、遅くなりました」 頭を下げて謝罪すると、一瞬不思議そうに首を傾げるが、パッと笑顔になる。 ???「いやいや、毎回手伝わせてるのはこっちだ。それにジャストだよ」 彼女は学園の屋上にある時計を見た。それとほぼ同時に予鈴が鳴る。 校門に立つボーイッシュなこの少女は、俺の2つ上の先輩で久留橋真香先輩。 天ヶ瀬学園の風紀委員長をしている。 久留橋「今日はここで教職員と交代。本番は来週からだな」 にこっと笑うと、職員玄関から出て来た生活指導の先生3人に、挨拶を交わしに行った。 戻ってきて校舎に向かおうしたとき、遅れてきた生徒がやって来た。 久留橋「もうチャイムが鳴ってるぞぉ!」 3年女子生徒A「あ!やばっ!風紀の…!」 久留橋「寝坊したのか?」 3年女子生徒C「は、はい…。昨日テレビが面白くて…」 久留橋「あぁ、昨日のお笑い番組か…。あたしも最後まで見ていたが、普段通りに起きて登校してきたぞ」 3年女子生徒達「す、すいません」 3年女子生徒B「あ、あのぉ~…それで、これってペナルティ?」 久留橋「いや、今日明日は予備期間だ。カウントはしない」 3年女子生徒B「よかったぁ~」 久留橋を支持する人は多い。 本来は嫌われ者の風紀委員ではあるが、締め付けすぎるのではなく、ある程度譲歩する。かと言ってなめられ過ぎるやり方では無い。 飴と鞭をしっかり使い分けるそのやり方が好評のようだ。 3年生に注意を促すと、こちらの顔を見て『行こうか』と目で合図してきた。 久留橋「昼休み、時間貰えるか?」 勇斗「姫君に連絡しなければならないので、その後ならば…」 久留橋「…緊急かい?」 こう言っただけで察してくれる。
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