第1章~フォーティス~

3/110
前へ
/138ページ
次へ
そんな金髪の少女に優しく笑いかける。 金髪の少女「心得ております」 そう言うと一礼してから足早に部屋を退出して行った。 姫と呼ばれた少女「それにしても、困った方ですわ。ん?あれあれ~…?」 送信内容を見直していた彼女は、あることに気が付いた。 姫と呼ばれた少女「あ~!彼だけプライベート用に送ってしまったんですわ!だから返信が…。納得ですわ…」 彼はいつもそうだ。プライベート用の携帯に連絡を入れる場合は、電話でなければ彼は後回しにしてしまう。 姫と呼ばれた少女「電話すれば万事解決ですわね。あ、でもそうすると亜弥理ちゃん無駄足になっちゃうし…。1度お任せしたのならば、お願いしましょう♪」 パソコンの電源を落とすと、手荷物を持って鼻歌を歌いながら部屋を後にした。 時刻 午前7時55分 清風寮 勇斗「そろそろ行くか…」 机の上に置いてあったバッグを持ち、部屋を後にした。 ドアに鍵を掛けてから一言呟くと、手に持っていた鍵が霧散する。 勇斗「便利だよな…」 俺が左腕に着けているアナログ時計は、ただの時計ではない。 N-BOX(ナノボックス)と言われる最新型の収納ケースで、1000個以上の物を収納出来る優れものだ。 原理は説明されても理解出来ないが、分子レベルで分解、収納、再構築して取り出す装置らしい。 ???「よぉ!おはよう!」 勇斗「ん、おはよ…。相変わらず朝からテンション高いな」 こいつは俺のクラスメイト、名前は相川和正だ。 和正「まぁな。今日は清々しい朝だからな。アッハハハハ!」 勇斗「それは良かったな」 適当にあしらって学院に向かおうとしたが、和正は俺の前に立ちはだかる。 和正「時に勇斗、ベランダの方には出たかな?」 勇斗「いや。洗濯物を干す事も無かったし、出る理由も無い」 和正「なん…だと…?!」 オーバーリアクション気味で後ずさる友を見て、少々呆れる。 勇斗「興味は無いから俺は行くぞ」 和正「お、おい!完全にスルーか?!ちょっとは何かあるだろう?!」 勇斗「ない。遅刻するなよ」
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加