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???「あ………こ、これは…!す、すみませんでした!!」
勇斗「はぁ、それはいい。それより用があったんだろう?」
こいつの名前は、キャロル・亜弥里・シーベルト。アイギスの同僚だ。
亜弥里「は!?そうでした!!何故私が貴方に謝らなければならないのですか?!あ!いや、本題を忘れていた私も悪いのですが…」
普段は敬語なのだが、何かスイッチが入るとあのような口調になる。緩急の激しい子なのだ。
亜弥里「大体、貴方が姫の連絡を無視するから、わざわざ私が出向いたと言うのに…!」
勇斗「?姫の連絡??」
亜弥里「この期に及んで惚けると仰るのですか?!」
勇斗「いや待て!」
刀に手を伸ばす彼女を慌てて制止する。
確認の為、ポケットから携帯を取り出し、右手をかざして起動させる。
それから画面の上を撫でる様に2往復せさると、液晶から虚空に立体映像が表れる。
勇斗「業務連絡は無いみたいだが?」
虚空に映し出された映像を指で操作してメールを確認するが、連絡は一昨日の19時以降きていない。
亜弥里「はぁ?!」
つかつかと歩いて来て、横から覗きこむ様にメールを確認する。
立体映像なので反対側からでも見えるが、鏡写しみたいな状態だから見辛いのだ。
亜弥里「…ない…ですね。消した…と言うのは無いですね。そう言う所だけは真面目ですし…」
勇斗「さりげなく毒を吐くよな…ん?あ…待てよ…」
一度携帯を仕舞い、今度は反対側のポケットからもう1台取り出す。
こっちはプライベート用だ。こちらの方には朝からメールが着ていた。
勇斗「…やっぱりか……」
案の定と言うか何と言うか…とにかく、業務連絡用ではなく、プライベート用の携帯に連絡が着ていたのだ。
亜弥里「やはり連絡があったのではありませんか!!」
勇斗「はぁ…内容は後で確認する。昼休みくらいに連絡を入れると、姫野に伝えておいてくれ」
亜弥里「それは了解しましたが、連絡は…!!」
勇斗「走らないと時間がヤバイんだよ」
腕時計を亜弥里に見せると、怒り顔だった顔が一変した。
亜弥里「と、とにかく!今後はプライベート用もチェックするように!」
勇斗「はいはい急げよ!」
捨て台詞の様な物を残して走り去ってしまう。
勇斗「って、俺もゆっくりしている時間が無いな」
この学園都市の風紀を守る風紀委員会は、北東区、北西区、南東区、南西区、そして俺達が居る中央区に別れている。
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