弐ノ章

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起き上がった羅刹をもう一度、蹴り倒し胸に刀を突き落とした。 「あ~ぁ、残念だなぁ。 僕一人で始末しちゃうつもりだったのに。 斎藤君こんなときに限って仕事、早いよね。」 「俺は勤めを果たすべく動いたまで。」 刀を鞘に閉まったとき、声が聞こえそちらを見ると、羅刹と同じ羽織りを着た男が二人いた。 そして後ろからもう一人現れ、刀を僕ら二人に向けてきた。 殺気を微妙に放って。 「いいか、逃げるなよ。 逃げれば斬る。」 目の前の男がそう言うと、隣にいた少女は彼の放つ殺気に当てられ、気を失い倒れた。 「副長、死体の処理は如何様に。」 「羽織りだけ脱がせておけ。 あとは監察にやらせる。」 彼が指示を言い、口を閉ざすと茶髪の男が口を開いた。 「どうするんです?この子達。」 「頓所に連れて帰る。」 「いいんですか? さっきのあれ、見られちゃったんですよ?」 「そいつらの詮議は、帰ってからだ。」 彼等が話している間に僕は、眠気に負け眠ってしまった。 .
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