壱ノ章

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今にして思えば、この日のこの行動が、原因だったのかもしれない。 ────────────── ──ザシュ ──ザシュ いつも通り、主人からの命を遂行していた 硬峰 怜。 昼間は学生、夜は殺し屋。 主に夜は、変装で男のような恰好をしている。 そんな彼女は仕事を終え、主人に一言報告して部屋に入った。 彼女には秘密があった。 怜の怪我の治りが、常人より早いこと。 これは、怜の主人は知らない。 怜は、部屋からでて外に行くと、ビルの屋上に行った。 『風が気持ちいい…』 夜風に辺りながら、明日の事を屋上の端に立ちながら、考えていたときだった。 『うわっ……。』 いきなり突風が吹いて、怜は屋上からビルの外側に落とされた。 落下している途中、怜は意識が遠ざかるのを感じ、意識を失った。 しかし、町を行く人々には落下している怜の姿はおろか、落ちて来た怜を見た者は一人も居ない。 .
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