弐ノ章

2/6
前へ
/12ページ
次へ
目が覚めると、雲一つない空が見えた。 あれ?僕はビルから落ちて、診断じゃ…。 起き上がって、周りを見ると後ろに桜の木、横には愛刀 桜霞があった。 『服は昨日のまま…か。』 日が高いから大体、昼くらいだろう。 町の方に行ってみるか。 街には人で賑わっていたが、町並みが僕の知っている街ととても違う。 まず、町の人が皆、着物を着ていること。 髪を結っていること。 刀を腰に下げていること。 僕は刀を持っているが、普通なら銃刀法違反で捕まるはず…。 「おい餓鬼、何してくれてんだぁ? 袴が汚れちまったじゃねぇか、あぁ゙ん!」 「う、うわぁぁあん。」 何か揉めている声が聞こえた。 僕は騒ぎの方へ行った。 すると、小さな男の子相手に、浪士が責め立てていた。 周りを通る人々は、知らんぷり。 僕はそれが気に食わなかった。 『それくらいにしたらどうだ? その子、泣いてるんだよ? ぶつかったぐらいで、喚くなんて肩身の狭い男だな。』 .
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加