弐ノ章

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僕がそう言うと、男は僕の方を見て睨んできた。 「あんだぁ?兄ちゃんよ~、邪魔すんのか? たたっ斬るぞ!」 そう行って浪士の男は、刀を抜いた。 『相手をしてやる、表の通りに出ろ。 ここじゃ、店に迷惑がかかる。』 そう言って、表通りに出ると野次馬が、周りを囲むように集まっていた。 男は刀を抜き構えた。 僕も刀を構えた。 男が間合いを詰めたとき、僕は素早く避け峰で横っ腹を叩いた。 男は痛みから、刀を手から落とし、仰向けに倒れた。 『公衆の面前で、無駄な血は流したくない。 あんた、命があることに感謝するといい。』 僕がそう言い終わり、刀を鞘に戻すと、男の子の所に行き、『次は気をつけなよ。』と優しく言ってその場を離れた。 .
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