■チロル■

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昼休み。 いつものように、優香ちゃんと喋りながらお菓子を食べる。 隣のクラスのゆっきー(木下雪穂ちゃん)とか、他女子数名も自分の持ってきたお菓子をもって集まってくる。 ゆっきーは高い位置でまとめたポニーテールが特徴的な明るい女の子。 ポテトチップスを広げて、チロルチョコタワーをつくったり。 馬鹿みたいなことをして、でもそれがすっごい楽しくて。 いいなぁ、青春。 みたいなことを思う。 「あっ!!このきなこもち味のチロル大好き!」 そういって私はチロルタワーからそっときなこもち味を取り出した。 「う~ん…やっぱ美味しい!」 私が1人で感動していると、後ろから大きな手が伸びてきた。 「あっいーな。もーらいっ俺もきなこもち好き~」 驚いて振り向くと、君がいた。 まさか、君と好きなものが同じなんて! こんな幸せなことはない。 私はテンションが上がって、チロルチョコについて熱く語りだした。 「やっぱり私の中でベスト1位は塩バニラかな~」 「だよな!俺もあれ好きだったわぁ。けど、一瞬しか売ってなくて今じゃもう買えないんだよなぁ」 まさかの共感に、私はもうあげぽよ状態だww 「だよね!あっでも、抹茶とかホットケーキも好きだった!」 「まじで!?俺も俺も!なんか、北山とは気合うな」 その言葉が嬉しすぎて、私は頬が熱くなるのを感じた。 そんな盛り上がる2人を見て、優香ちゃんとゆっきー達は嬉しそうににやついていた。 「おい祐樹~外行こうぜ!」 祐樹君の親友、林直哉がそう言った。 「おう!んじゃ、チロルチョコありがとなっ」 そう言って、祐樹君は外へ行ってしまった。 「ヒューヒュー♪良い感じじゃーん」 ゆっきーにそうからかわれても、私はただポーっとしてるだけだった。 口の中には、まだチロルの甘い味が残っていた。
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