序ノ章

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「なぁ、なぁ。あれはなんだ?」 幼い少年は、大きい影の上に乗っかり、森の茂みから街道を見ていた。 『んー?あれは人間さ。』 影は答える。 「にんげん?」 『そう、お前と同じ…な。』 「おれ?おれもにんげんってやつなのか!?」 『まぁな。』 「にんげんかぁ~。八知(ヤチ)はにんげん?」 『…さぁ、どう見える?』 それが、なんとなく覚えている昔の自分。 小さかったから、けっこう曖昧だけど。 だけど、俺は誓ったんだ。 あんたがいたから。 俺は…守る。 あんたみたいに、二度と自分の大切な人が傷つかないように。 誓ったんだ―――。
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