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ぶふぉん!!
凄まじい音で僕は我に返った。
通過の特急電車が風を切る。
そのあと、
びちゃっちゃちゃちゃちゃバキッゴキッびしゃびしゃ、
あれ?
ナンダコレ?
視界が赤いぞ?
顔にかかった生暖かい液体は何だ?おや?服にもついてるじゃないか。というより頭から浴びたみたいしゃないか?
あれ?なんで制服、赤いんだ?
てか、これ、ちょっと…。
頬を伝い流れたソレが口の端から入り込む。
温かい、濃い鉄の、人の味。
これは血だ。
血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血。
赤い、紅い、血。
誰の?
「いや…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
この声は佳英?
おい、何があったんだよ?なぁ、堺。
なぁ、堺?堺?堺…?
さっきまで隣に居た堺はどこに?
そうか。
線路の上か。
この赤いのは堺のか。
僕は頭のなかである程度整理したあとで、
「え?堺、どうなったの?」
周りの客が各々に悲鳴を上げたり、携帯のカメラを構えたりしている。
佳英?
後ろの方で佳英は泣き崩れていた。
堺?
お前、死んだのか?
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