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「早奈英ちゃんマジ可愛いよな~」
一人がそう言った。
「おぅ!わっかるわ~あの涙黒子もたっまんねぇわ~!匙田お前誰推し?やっぱ幼馴染みの茜ちゃん?」
少し茶化す様にそいつは聞く。
「あんな奴眼中にもねーわ~。第一、幼馴染みってだけで、あいつのこと女としてなんか見たこと無いってーの!」
匙田はそう言って笑って見せた。
馬鹿を言え。つくならもっとマシな嘘をつけ。ほんとは前からずっと片想いの癖に。
顔に出ていなくとも、僕には解ってしまう。誰が嘘をついているか、真実が何なのか。
別に超能力とか、生まれ持った才能とか、そんな大そびれたものじゃない。たまたまそこにいた人の心中が除けてしまうのだ。そして、嘘をついているのなら、すぐに解ってしまう。それも何となく。
言うなれば、誰かに耳打ちでそっと囁かれる様な。
ボソボソと言われ、後で思いだし「そう言えば、そうだ。」
こんな感覚に近い。
勿論それも絶対では無いのだから、その事を誰かに話そうなんて思ったことも無い。
万が一当たっていたなら、それはそれで気持ち惡がられるに決まっている。
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