プロローグ

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歩「…っ…」 目を開ける、が、視界がボケてよく見えない 頭が痛い…長時間寝ていたようだ 体は…動く。 上半身を起こして目を擦る 段々と、視界が見えてくると、同時に目を見開き 歩「…な…何だよ…これ…」 俺はグラウンドにいた それだけでは何にも違和感はないが、グラウンドには様々な物が落ちていた 凶器だ そして、気付いた瞬間にあの『夢』を思い出す 歩「…ま、まさか…」 そう、あの『夢』の通りなら…そして、その予感は悪い意味で的中した 後ろに気配を感じる 俺は立ち上がり、後ろを向いた 地面から黒い空間が見える そこから『何か』が出てきた その手には『剣』 歩「っ…う、…」 後ろに下がる 信じたくないが…どうやら、ここは『夢』で見た世界だと痛感した このままでは、死ぬ だが、逃げたとしても… どうする…俺は考えた いつも以上に頭をフル回転させて、その時、横に刺さっていた『剣』を見た ーー死にたくないなら… 俺は『剣』を地面から抜いて、構える 『何か』は完全に姿を現し歩に近付いてくる 歩「…」 構えた手足はガタガタと震える 恐怖、緊張、色々な感情が俺の中を駆け巡り 『何か』の剣が俺に届く範囲まで近付き 『何か』の剣が振り上げられる 歩「っ!!」 ーー死にたくない!! そう思った瞬間、俺は剣を『何か』の胸に突き刺し 歩「うわぁぁぁぁぁぁ!!」 一気に横に振り、斬った それが俺の理性を壊し、一心不乱に『何か』に向かって剣を振った 『何か』はなすすべもなく斬撃を受け、やがて消えていき 歩「…はぁ、はぁ……」 剣を地面に落として 息を整える 歩「…はぁ、っ…か、勝った…のか」 息が整うと同時に頭が冷静になる あいつは何処に消えた? 死んだのか? しばらく、頭の中で自問自答を繰り返しながら考えたが答えは出なかった ただ、わかっているのは ここは現実世界じゃないことだけだった
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