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『第一居住地』は東京辺りの内陸部に存在している。
居住地は『スキマ』発生と共に侵略してきた化け物と対抗する『オリンピック』という組織が作った『街』みたいなものだ。
『スキマ』とはある日突如として発生したヒビである。
空間を裂くように発生した『スキマ』。
そこから空想の存在だと信じられてきた化け物が這い出てきた。
―――連中のチカラは圧倒的だった。
ドラゴンの鱗はミサイルの直撃を受けても傷ひとつなく、鬼の拳は鋼鉄を砕くほどのチカラを宿していた。
そんな化け物に既存の軍隊は『戦争』することすらできなかった。
虐殺。駆逐。排除。
そう表現したほうが適切だった。
ほどなくして国連は崩壊。
各国の政府は壊滅状態。
人類滅亡が夢物語ではなくなった。
その時だ。
今の『オリンピック』の頂点であるサラフィア=アイリスが化け物と交渉を行ったのは。
彼女は化け物の狙いが世界の文化遺産や建築物や資源であることを見抜き、それを利用した。
『現存する核兵器を一斉起爆し、すべて吹き飛ばされたくなければ交渉のテーブルにつけ』。
この『宣言』が始まりだった。
彼女は交渉を行うために人類すべてを賭けた。
これだけでも十分ぶっ飛んでいるが、ここからがサラフィア=アイリスの『功績』だった。
化け物に無許可の侵略を禁止させる代わりに公式の場で決着をつける場を設ける。
それが『試合』であった。
参加するのは人類一ダース、すなわち十二人に対し化け物一体。
話し合いによって決めた『試合会場』で相手を全滅させるか『金の煙弾』を放つことで『棄権』するか。
そのどちらかで決着をつける殺し合い。
この『試合』を化け物に了承させるのが『功績』の一つ。
だが、サラフィア=アイリスの『功績』はこちらのほうが有名かもしれない。
『人工的な超人の育成』。
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