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「あ、あの、司君…! よ、よろしかったら、イブの夜、私の家に来てはくれませんかぁ……!?」
時はクリスマス3日前、12月22日。
二学期最後の1日を無事に終え、身支度をして帰ろうとした俺に、突然歩みよってきて唐突な誘いをかけてきたのは、「男子生徒に聞いてみた、校内美少女ランキング」堂々の二年連続第一位、一之瀬 琴美だ。
彼女は緊張していたのか、所々どもったり最後は声が上ずったりして、端から見たらかなりおかしな事になっている。
とりあえず聞きたい…
「どうして俺なんだ? 」
男子生徒の殆どが認める程の絶世の美少女が、成績中の中かつ見た目も特段突飛して良い訳ではない、ザ・平凡な俺を、恋人達の聖夜、しかも家に誘うなんて、あっていい話ではないのだ。
きっと何か裏があるに違いない。
「え、えっと、それは…」
彼女が顔を俯けてとても言いづらそうにしている辺り、やはりなにか裏がありそうだ。
もしあるなら俺を騙そうたってそうはいかない。
理由を言わないならば言うまで問い詰めてやるだけだ。
「あ、あの… 言わないと… 駄目ですか…?」
前言撤回。 この上目遣いには敵いません。
「ごめん 。是非行かせてもらうは。」
考えてもみてくれ。
学園一の美少女に、涙目上目遣いで見つめられているんだ。
男なら誰だって、こんな彼女を問い詰める事は出来ないだろ?
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