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一時間後。
あれからすぐ下校した俺は、現在家に帰ってきている。
とりあえず、クラスの男子の視線がやたら痛かった。
嫉妬やら殺気やらがひしひしと伝わってきて、それはもう、凄かった。
まぁ、学園のアイドルに誘いを受けたのだから、仕方ないといえば仕方ないのだけれど…
あ、そういえば、一之瀬に紙貰ってたんだっけ。
俺は一之瀬から紙を受け取っていた事を思いだし、サっとそれを取り出した。
「……随分、簡素な内容だな……」
紙には、「22時に白山公園で待ってます。」と簡潔にただそれだけが書かれている。
それにしても達筆な字だ。
確か一之瀬って、書道の資格を持ってるんだっけか?
他にもいろいろと…
凄いよなぁ…
ただでさえ綺麗なのに、その上秀才だなんて…
俺とは大違いだ。
そんな彼女がいったいどうして…
心に募るは劣等感。
俺は疲れた体をベッドに放り出し、一之瀬が俺なんかを誘った理由に思考を巡らせる事にした。
しかし、いくら考えたところで答えは出てこない。
それどころか、寧ろ分からなくなっていくばかりだ。
「はぁ…」
考えたって、仕方がないか…
今日は、もう、寝よう……。
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