尽くす男

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午後からの授業は退屈だった 図書館から走ってきた自分が阿呆らしくなる程、つまらない内容だった 僕はただ教授の話を適当に聞き流し、時間を持て余していた ふと窓の外を眺めると、小学生がぞろぞろと帰宅しているのが見えた 子供達の背中には、赤や黄色、水色など、様々な色のランドセルが揺れている 昔は赤と黒のランドセルしかなかったのに・・・・ 僕はふと昔の事を思い出した その当日では珍しい、ピンク色のランドセルを背負った女の子が転校してきた日 僕と実咲が初めて出会った日の事を
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