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――――10年前
「今日転校生が来るらしいよー」
「どんな子だろうね」
教室は朝から今日やってくる転校生の話でいっぱいだった
小さな田舎町にある小学校だったので、都会からやってくる転校生に、みんな興味津々だった
僕も友達と転校生の話をしていたが、それほど関心があるわけでもなかった
「おーい!みんな席に着けー」
担任の先生が教室に入ってきたので、みんな急いで自分の席に着いた
「今日は前から言っていた通り、転校生を紹介するぞー」
【転校生】という言葉を聞いて、ザワザワと教室がざわめく
「入ってきなさい」
先生の声の後、小柄の女の子が入ってきた
「・・・上濱実咲です。よろしくお願いします」
ペコッと女の子はお辞儀をした
髪が長く、大きな瞳をした可愛らしい女の子だった
先生が「みんな仲良くするように」と言うと、教室から「はーいっ」と言う声や「よろしくー」という声が行き交った
その時その女の子は安心したのか、ニコッと笑った
僕はドキッとした
その笑顔があまりにも輝いて見えたから・・・・
そのまま僕は、ずっと彼女を見つめていた
きっとあの時、すでに僕は実咲に恋をしていたんだと思う
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