尽くす男

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僕は近くの公園のベンチに心を寝かせた 春だというのに、夜はまだ冬の名残がたちこめている 僕は自動販売機でコーヒーを買い、一人もの思いに耽っていた 【俺は…何してんだろう】 小さくため息をついた 【酔った後輩を介抱するために俺は来たのか… こんなことなら飲み会にも参加せずに、実咲の元へ行けばよかった…】 「……ん」 心が気だるそうに体を起こし、辺りをキョロキョロと見回している 「やっと気が付いたか」 僕は水を差出しながら言った 「ここは何処ですか??何で巴先輩が……」 「お前、店で酔って寝てたんだよ。ったく、自分の酒の強さくらい把握しとけ」 僕はイライラした調子で水を心に無理矢理渡した 「そうだったんですか……すいません。私、飲み会とか初めてで…」 「気をつけろよ。女が酔うのを待ってるヤツもいるんだから」 「…はい。先輩ずっとついててくれたんですか?」 僕は黙ってコーヒーを飲んだ 「…巴先輩は、やっぱり優しい方なんですね。ありがとうございます」 そう言って、心は嬉しそうにうつむいた
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