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病室に戻ると、実咲は心配そうに
「どうかしたの?」
と言った
「・・・・ひまわりを見に行きたいな」
僕はささやくような小さな声で呟いた
「ひまわり?どうしたの急に」
実咲はくすくすと笑った
僕はゆっくり顔を上げた
【あぁ本当に、彼女は記憶を無くしてしまったのだ】
そう思うと虚しかった
一緒に過ごした10年は何だったのだろう
実咲は10年前と変わらぬ笑顔で笑っている
【1日でも早く、実咲の記憶が戻りますように】
今はそう願うしかない
僕はぼんやりと彼女を眺めた
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