生と死の間

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「まぁその通りだね。君がかつて暮らしていた地球という所の神と云うところが妥当なせんと言ったところかね」 黒髪の青年は、頭を無造作にかきむしりながら口を開いた 「ここがアストラル海の中であると言うならそうなんだろうな。元々アストラル海というのは、魂が帰る場所だったり、神々がすむ場所だったりといわくつきの場所だからなぁ」 「其処までわかっているのなら話が早い。君には君が死んだ時代より一万年後の世界に転生してもらいたい。」 「何故転生しなければならない。俺は、あの戦いで死んだ。それで満足だ。俺をアストラルの海に返してくれ」 「君は本当に満足しているのかね。あの勇者の影として存在し、君が愛した女性はその勇者に獲られそして、君の活躍は誰に知られることもなく歴史の闇に葬られるそんな人生でいいのか」 「悔いがないと言えば嘘になる。だが、人は死んだら魂は海に帰っていくのが摂理だ。」
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