プロローグ

4/7
前へ
/39ページ
次へ
---------- ------ --- 長い激戦が始まってから数時間後 黒髪の青年は、廃墟のビルの下に沈み、彼の黒髪は、流血により赤く染まり、彼の右手は無くなり、彼の左足は在らぬ方向へ曲がっていた。彼の相棒であるバイクは、ただの金属の塊になっていた。 黒髪の青年の口からは以外に陽気な声で話し掛けた。 「ちッ、やっぱり勝てなかったか。これでも肉体の限界を越えた力をだしたんだがなぁ~」 白髪の青年の左手は在らぬ方向へ折れ曲がり、片膝を着き肩で息をしながら口を開いた。 「ハァ、ハァ、ハァ....ここまで君が戦えるとは思ってもいなかったよ。だが、それならなぜ勇者と呼ばれている彼らの下にいるんだい?」 「愛した人がいる。守りたいと思う人がいる。それが理由だよ」 「そうか。それが報われぬ思いだとしてもか。」 「俺が動くには、十分な理由だよ」 「どうやら、ヒーローのご到着のようだね」 「あぁ、どうやら最低限の仕事は、できたようだ。......少し疲れた、少し眠らせてもらうよ。」 そういった黒髪の青年の左手が、力なく地面に触れると、体のあちこちから亀裂が走り砕け、口元に僅かな微笑みを残して、風に流され消えていった。 「あぁ、ゆっくり休め。馬鹿弟子。」そう、白髪の青年が呟くと同時に白髪の青年の背後に、複数の人の気配現れた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加