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とある高校の昼下がり。
少女は屋上にいた。
少女はいつも、晴れた昼下がりに屋上にやってきては、町の景色を眺めていた。
少女はこの町が好きだ。
自分が生まれ育った、たくさんの出会い、経験、思い出をくれるこの町が。
今日はとても晴れていて、景色も最高だ。
心なしか、いつもより町が元気そう。
少女は思った。
―――この町を自由に見下ろすための翼がもし、自分にあったなら、どんなにいいだろうか。
少女は小さく溜め息をついた。
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