Dayly.1.

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とある世界のとある国、そこそこの規模を持つその国は【ザクシア】と呼ばれていた。 他国との交易も盛んであったザクシアは現在、皇帝の勅命により半封鎖状態にある。 皇帝に、国そのものに反発しあちこちで反乱を起こしている通称【リヴェル】 その被害を他国に及ばせないために皇帝自ら選んだ道がそれであった。 交易は最小限にし、他国からの移住は極力控えるよう手配し、国民を護り、国を存続させるため。 …そして、この機に乗じて他国に攻め込まれないようにするために作られたのが、ザクシア直属の部隊である。 その部隊の一角を担うのが戦闘専門部隊、通称特攻部隊。 戦闘面に秀でた者が所属し、攻撃を持って護るための部隊である―― 「…ということは事前に頭に入れてきたんだろうな貴様ら!!」 辺りに怒号が響く。 「我が部隊は【戦闘専門部隊】だ!これしきの訓練で音をあげるような奴は即刻ほかの部隊へ移隊しやがれッ!!」 がぁん、と撃ちだされた銃弾は一人の隊員の髪をかすめて壁に銃痕を残した。 いくつも撃たれた痕が見られる哀れな壁はどうやら格好の的にされているらしかった。 「こんな訓練は基礎中の基礎だ!そもそもどういう覚悟でここに来たか知らんが訓練初めから私語とはいい度胸だな」 じろりと睨まれ顔を青くした新人隊員はひしひしと迫る自分の死期に怯えているようであり、それでいて「まさかそこまで暴力的なことをされるわけはないだろう」という一種の油断をはらんでいるようでもあった。 「あのさー」 先ほどから怒号を浴びせ続ける隊長とは裏腹に、傍らで最初から最後まで笑顔を浮かべている副隊長が言う。 「言っとくけどあんまり油断…っていうか、甘く見ちゃいけないと思うんだよね。ウチの隊長さんって結構なんでもやっちゃうんだよ」 知らないかなー、とやはり笑顔のままで、ただ何気なく 「ほら、特攻隊で戦線に出てない連中ってさ、だいたいアイリスちゃんのせいで骨折とかしちゃった奴なんだよね」 でなきゃ特攻部隊がそこまで動けなくなるわけないじゃん…? なんのために特攻部隊の募集こんなに大勢してると思ってんの? と。
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