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「今日も居るんだね 菅原アキさん」 また同じ場所で会ってしまった 「それはこっちの台詞中川リョウ君」 別に待ってた訳じゃない ただ好きな場所にいたいだけ 「名前覚えたんだ」 「有名人だし 美形自覚してて 感じ悪いって」 あ…最低 好きな人悪く言った なんで? 「人に嫌われるの慣れてるからね 僕は」 それは嘘 嫌われたら傷つく 心の傷はずっと消えない 「ごめん…また言い過ぎた 人のいいとこ見つけて誉めたらいいのに」 「それだけ理解出来てるだけで充分 菅原アキさんは 優しい心の持ち主 その心ずっと忘れんなよ 好きな人も気付いて 興味を持つようになる」 「ところで 菅原アキって呼ぶの 止めてくれる この名前好きじゃない」 「じゃあ アキって呼ぶ 僕のことはリョウでいい」 一瞬ドキッとした 名前で呼ばれたこと 一度もない 私の事どこまで知ってるんだろう 「じゃあリョウ君 アイス代100円分 演技して」 「…わかった その代わり 放課後図書室に来ないで 頼む 絶対に」 ?バイト代儲けるチャンスだったんじゃ 「100円分はただ喋ったり わざと人目のつきやすい場所を歩く それだけ」 「今も演技して話してる?」 「まさか 本物のホスト 援助交際は外見 服装誉めるけど 心優しいなんて 言ったりしない」 「それって外見誉めるとこなくて 服装も制服だから?」 ちょっとがっかり 「まだ難しいかも 演技と本音見分けるの」 今軽くバカにした? でも悪くない こんな微妙な関係でもどこか嬉しい自分がいる 今日も空が綺麗だ ずっとこの空が続けばいいのに
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