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石段に膝を抱え
何時間も呆然としていた
コツコツと誰か近づいてくる
特に気にならなかった
顔を上げる気力もない
その人はアキの横に
座った
「アイス食べる?」
下を向いて膝を抱えたまま
「…別にいらないです」
ほっといて欲しい気分だったから素っ気ない返事をした
「遠慮すんなよ
これうまいのに」
うるさい!
「だから!いらないって!」
怒って顔上げると
あの人だった
「そんなに怒らんでも
菅原アキさんは怒りっぽい人なんだね
カルシウムが足りないんじゃない?
おまけに痩せすぎ
もっと太った方が…」
「あんた余計なお世話だよ」
アキは更にふてくされる
「あんたって名前じゃないし
怒りっぽい上
礼儀知らず
これだから女は
何考えてるか
理解不能」
アキは立ち上がって
「そう…じゃあ
それでいい」
そういい残して帰ろうとした
「おい
言い過ぎた
なんか嫌なことあったんだろ」
原因はあんたに失恋したことだよ
「僕も嫌なことがあったり
忘れたいことがあった時
ここの景色見ながら
好きな物食う
まぁ日課みたいなもんだけど」
?可愛い彼女と食べればいいのに?
好きな場所
好きな人に盗られた
世界で唯一の泣き場所だったのに
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