小指の記憶

受け止められなかった俺が、自分から鈴音の手を離したくせに… 事実を話そうとする鈴音の話は言い訳だと思い込んで、何一つ聞こうともせずに逃げ出したくせに… 酷い言葉を鈴音にぶつけた時でさえ、笑顔だった。その笑顔は初めて俺に見せた諦めの笑顔だったけど。それなのに、今、隣に座る鈴音の笑顔に無償の愛を感じる。なぁ、鈴音。その笑顔はあの日の俺を許してくれてると思っていいのか？

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