第1話:あなた誰ですか?

2/6
前へ
/50ページ
次へ
高校に入学してからもう2ヵ月も経つ。 ピピピピ... カチッ 「ふわー、もう朝か...」 目覚ましを止め、布団から顔を出したのは、矢吹 光輝。 成績は優秀。運動もできる。俗に言う天才である。 「母さーん、めしー。」 そう言いながら、階段を下りる。 「はいはい。今日は光輝くんの好きな目玉焼きよ。」 光輝は礼を言うと、おもむろに食べ始めた。 「そうだ、光輝!」 言ったのは、父だ。 「なに、父さん。」 食べながら、聞き返す。 「今日、夜に父さんの知り合いがご飯食いにくるから、早く帰ってくるんだぞ。」 それを言い終えると、部屋に入っていった。 「光輝くんも会ったことある人よー。多分覚えてないと思うけど。」 母が、光輝の前に座りながら言った。 「ふーん。」 朝食を食べ終え、自分の部屋に戻り学校の支度をする。 「俺も知ってるひとか...。誰だろ?」 「いってきまーす。」 バタンッ! いつものように家をでた。すると見たこともない人に声をかけられた。 「あら、おはよう。光輝くん。」 すごく美人でおとなしそうな人だった。 「あ、どうも。お...おはようごさいます。」 戸惑いながら挨拶をすますと、学校の方へ駆け出した。 「誰だあれ?あ!もうすぐ隣に引っ越してくるって母さんが言ってた人か。引っ越してきたんだー。」 美人だったこともあり、少しにやけ顔になりながら学校へ向かった。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加