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2056年の夏の日。私はいつものように煩い目覚まし模型に叩き起こされた。
タイマーをセットするとその時間に人形の模型がぶっ叩いてくるという仕様だ。
私はその模型に朝日くんと名付けていた。
おそらく間違えて、叩く力を"強"に設定してしまったのだろう。 朝っぱらから顔面をビンタされた私はいつもより機嫌が悪かった。
ベッドから降りると、私は朝日くんにあらかじめ用意させていた朝食を摂った。バナナは丁寧に剥かれており、横には熱々のコーヒーが置かれていた。
もはや目覚まし機能はおまけのようなものだ。
朝日くんは基本的な生活の動作は全てこなすことができる。
朝食を用意するのなんて文字通り"朝飯前"だ。
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