11人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、お前はどう思う?」
不意に白波が俺に意見を仰いできた。
「不意に」というよりかは俺がただ単にボケっとしていて話を聞いていなかっただけなのだからこの表現は違う気がするが…。
「俺はこのままでいいと思うな」
妥当な答えを返しておく。
聞かれたものはしょうがないので仕方なく答えてやる。
すると答えが不満だったのか白波は凄くしかめっつらでふて腐れていた。
そんな無駄話を(心の中なのだが)しているうちにチャイムが鳴り俺は神流木さんに別れを告げて急いで教室へと向かった。
***
教室のドアを開けると窓側の三番目の席にそいつはいた。
他の誰でもなくあいつしかいない。
そう、白波である。
白波は今日も不機嫌そうな顔をして窓越しから見えるグラウンドをぼんやりと眺めていた。
俺は歩いて白波の席に座る。そりゃ俺の席だからな。
そして俺は奴に救いの手をさしのべる(そうしろと脳内会議の結果が出てるのでそうするしかなかった)。
「なんか凄い事は見つかったか?」
まぁ返ってくる答えはわかってはいたが…つい興味本位でな。
「お前、俺を怒らせたいのか。」
答えが返ってきた。別に怒らせたいってわけじゃないんだけどな。
「じゃあ何だよ。」
いやあ、その興味本位ってやつさ。わかるだろ?
結果、白波はもっと不機嫌になり、ついにはそっぽをむいてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!