第1章》原因

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「あのアイツですよ・・・白波ですよ。あいつには俺もっていうか俺しか困ってませんけど」 「あーあの面白い子の名前って白波君っていうんだにゃー?」 なぜ三年生の神流木さんが知っているかというと、言うまでもなく、あのような性格で静かにしていればいいのだが、昼休みや放課後になると白波は教室を飛び出し、校内、屋外へと出ては何かをキョロキョロと探している。 その意味不明な行動に一度に気になった俺は「何をしてるんだ?」と聞いたことがあった。 あの男はあろう事に「見てわからないのか」と当たり前の事を子供に諭す父親のように言った。 わからないからこそ聞いているんだろうが。 そう思ったが俺は文房具の一つや二つでも探しているのかと問い掛けてみると「そんな時間を無駄に裂くような事をしている暇は無いに決まってるだろう」と鼻で馬鹿にするように笑うと再び作業に戻っていた。 そして当然だが俺は再確認のため「じゃあなんだ」と問い掛けた。 もちろん、返ってくる答えに期待はしていない。 「非日常を探しているのだが何か問題でも?」 大ありだバカヤロー。 そういうことを真顔でいうなよ、 俺まで同類に見られるだろうがよ。 痛いよ、周りの視線が突き刺さるように痛いよ。 すると俺の呆れた表情をみた白波は自己談議をはじめた。 要するに自問自答。
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