新人類創成

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旧世界で栄華を誇ったであろうその都市は既に廃墟の様に荒廃が進んでいる。 フリーウェイは至る所で寸断されていて既に道としての機能を備えてはいない。 だが瓦礫に近いとはいえ人が住むには充分過ぎるほどの建物と、破損はしているが大戦前に水路が発達していた事もあり、今も沢山の人が集まってくる。 旧繁栄期には東京と呼ばれていたその瓦礫の都市に佇む一人の少年がいた。 見た目は普通の人間のそれとは明らかな違いが見て取れる、フランクによって発見された新たな遺伝子によって作られた新人類は身体のどこかに必ず変化が起きる。 この少年カツヤの場合も同様で毛髪や目に現れる赤がラグノイド(ラグーナより生み出された生物の総称)としての証なのだ。 ただ、全てが目に見える変化だけでは無い。 指や四肢が極端に長かったり短かったり、生殖器が無い又は肥大化した個体までいる。 ただし、見た目以上に人間に怖れ忌み嫌われるのがラグノイドだ。 見た目が違うとか、遺伝子操作された生物だからでは無く、見える変化はその部分に特殊な能力を秘めているからだ。
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