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 俺の朝を言葉で表せ、と言うのならそれは、うるさい、の一言に尽きるであろう。  その原因は、 「起きるぉぉおおおっ!! 朝だぞクソ兄貴ぃいいっ!!」  二次元の妹の萌えボイス。ではなく、残念ながら三次元の俺の妹、坂本空(さかもとそら)の燃えボイスだ。ただでさえよく通る声が、大ボリュームで俺の耳にキィンと響く。こんな大声で叫ばれれば、起きざるを得ない。  俺はため息を吐いて起き上がり、耳元で叫びやがった空の額にデコピンを喰らわせる。もちろん、思いっきり力を込めたやつを、だ。案の定、空は額を抑えてその場にうずくまった。 「ぬぅぉぉお~……。兄貴のくせにぃぃい、痛すぎるんだよバカ野郎ぅう。起こしてやったんだから感謝されてもいいものをぉお」 「よし、もう一発喰らっとくか」 「すみませんでした」  俺が構えると、ふざけた調子で土下座をする。俺はそれに笑いそうになりながら、よろしい、と答え、制服に着替えるために空を部屋から追い出した。  布団から出て、パジャマを脱ぎ、制服に着替える。  俺の通っている高校は男女共にブレザーで、ワイシャツにそれぞれ学年色の男子はネクタイ、女子はリボンを着用している。ちなみに学年色は一年が赤、二年が青、三年が黄だ。  俺は青のネクタイをしめると、校章が入った、指定の黒いセーターを着て、部屋を出て一階のリビングへ降りた。
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