猫耳少女と逢いに行きました。

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基地の天井がパラパラと落下する。焦げ臭い匂いが基地内に充満した。 「姫様!早くお逃げ下さい!」 パレス曹長は必死の形相で、パフィに叫んだ。その様子を見て、パフィに対する愛の深さを知る。 「パフィ、早く魔術を!」 パフィは両手のひらを前に出し、瞼を閉じぶつぶつと呪文を唱え、「エイッ!」と大きな声を発した。 虹のような七色の光が、パレス軍を囲みくるくると円を描く。そして数秒後、兵士の姿は灰色の毛色をした猫へと変身した。 パフィは牢獄の鍵を開け、猫を外に出す。 「ワタシに着いて来なさい!」 殆どの猫が牢獄から飛び出したが、頭のてっぺんの毛が黒い一匹の猫が、牢獄の中から動こうとしない。
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