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アパートの住人に挨拶をし、俺達は実家に向かう。
二年振りに逢う家族。
俺の記憶は消され、忘れられた存在だ。
チャイムを鳴らすと、母親が出て来た。
「はい、どなたですか?」
「近所のアパートに越して来た諸星です」
「諸星さん?同じ名字ですわね?」
「諸星一騎です。こちらはパフィ。俺の婚約者です」
「諸星一騎…、どこかで聞いたような…。あなた…もしかして」
母さん。俺のこと覚えていてくれたのか?
「主人の親戚の…一騎君?」
親戚?
でも、消されたはずの俺の記憶が、頭の片隅にうっすらと残っていると言うことだよな。
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