3・ノゾキミッション

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三人は瀬織の運転する車で帰路についた。 助手席に刃平が座り、後ろにドジコが座っている。 いきなりドジコが 「あ!」 と声を上げて 「やだもう、タクさまったらあ!」 と身をくねらせた。 刃平は振り向き 「な、何でしょう?僕、何かした?」 聞いてみる。 「だって、今夜、タクさまが、誰か入ってるお風呂を覗こうとするんですもん。」 「はああ!?しない、しないよ。」 瀬織がうふふと笑う。 それを見て刃平は、やっぱり何かある、と確信した。瀬織が話す。 「いやあ、言い忘れてたけどドジコは近未来予知能力が不定期に発動するの。 一度予知したら確率88%で現実化する。 不定期だから、ぜんぜん便利じゃないけど。」 「じゃあ僕が風呂覗くっての?」 「そうよ。帰ってから命令するつもりだったけど、今言うわ。 今日からアタシが入浴してる時は必ず一回覗くこと!」 「えー!」 「えー!」 刃平とドジコがハモる。 ドジコがまず後ろの席から前に身を乗り出し 「アネサン、覗かれるのは私の役目ではないでしょうか! 胸はイマイチだから恥ずかしいですが!」 と騒ぐ。 瀬織は、わはは、と笑う。 「修行のためだから、ドジコじゃ修行にならない。」 刃平が騒いだ。 「何の修行だっつの?」 「潜入捜査任務。」 「なぜ風呂?」 「そのほうが楽しいでしょう?アタシの裸、見たくない?」 「いや見たくないこともないけど…。」 ドジコが刃平の肩を掴んだ。 「女性の裸がみたいんですか?」 ストレートに聞かれて刃平は返答に詰まった。 「あ、いやなんていうか、そういう年頃ていうか。」 瀬織が助け舟を出した。 「大丈夫、太平洋の向こうのメリアン合衆国から、日本の富士山ながめるくらい難しいから。まず見られない。」 刃平が突っ込んだ。 「なんだ、不可能ってことじゃん。?!」
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