11人が本棚に入れています
本棚に追加
家についた。
家に上がると、まず瀬織がドジコと刃平に指示した。
「ドジコ、お風呂入っちゃって。出たら晩飯作って。
刃平はドジコの後、お風呂入って。
最後にアタシお風呂入るから、刃平はのぞきにくること。」
二人は
「了解」
「了解」
またハモった。
ドジコは何度かこの家に泊まったことがあるらしく、自分専用の着替えまでクローゼットのどこかから出してきた。
ドジコが脱衣所に入る。
瀬織がキッチンで酒ビンをあさりながら、リビングにいる刃平に
「で、アナタはどうなのよ、ドジコはいいコ?」
と聞いてきた。
刃平は
「出来過ぎだよ。
かわいいし、明るいし。
ドジって感じに見えないし。
いささか四つ年上は、痛い気はするけど。
ただなあ、困るんだよな。
あんなに良質物件が身近にいると、自分で彼女を探す気力が失せかねないよ。」
ワインのボトルをぶら下げて瀬織がソファーに座る。
「三つ言っとく。
一つ、あのコがドジるときは、命が左右されるような場面が多いから、テヘ・ペロってわけにはいかないのが欠点。
二つ、あなたが20歳まで修行の片手間に学業しながら、彼女と付き合うヒマがあるかしら。
三つ、このあともまず、ナデシコとも仲良くしてもらわにゃならない。
嫁候補数人と、デートくらいはしなきゃならんでしょう。
てわけで、ますます時間はないから。」
「なんかくやしいな…、
いつか、一人くらい彼女作ってやるう。」
「話しは変わるけど、晩飯後に作戦会議をするから。酒は飲み過ぎないように。」
「姉さんがね。」
最初のコメントを投稿しよう!