1・瀬織の住まい

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「そうね、はしょって話すか。 昔、日本の富国強兵のため、軍の特殊部隊が身につけるに相応しい格闘術を探す計画があった。 これを受けたチームが組織の前身。 探した結果、忠国の仙術と沖縄の手(てー)を融合してできたのが『魂仙手』なの。 始めは単に仙手と呼んでいたけど、アタシの代から魂を入れて魂仙手と呼ぶようにしたのよ。」 刃平は長い説明にいささか眠気を感じたので口をはさんだ。 「魂仙手って歴史が150年くらいってことだね。」 「でも言い換えれば、仙術を闘いに特化したとも言えるからベースの歴史は膨大よ。 ところが知っての通り、修得には素養が必要で、会得できたのは、 そのチームリーダーの、奥さん一人。結局、軍の誰もモノにならなかった。」 「意味ないなあ。」 「武術としては強力だから継承はしなければならない。そこで素養あるアタシが引き継いだ。」 「ふむふむ。」 「だからあなたが三代目。」 「ふーん…」 「戦後、国内にはびこる敵の廃除に使われることになり、今に至る…てわけ。」「どのくらい強い?」 「現代の通常兵器の戦力と比較すると、メリアン合衆国の全戦力の25パーセントくらいかなあ。たぶん。」 刃平は吹き出した。 「まさか」 「私に限ればほんと。 あなたがそこまでなる必要はないわ。」 「なるわけない。」 「銃も効かない、毒ガスも効かない、くらいには必ずなるから大丈夫。現に爆発に耐えたじゃない?」 「攻撃力がないよ。」 「それはこれから。アタシは水の属性だけど、あなたはどうかしら?」 「?」 「まあ、属性はそんなに能力の大小に影響しないけど。」 瀬織は、ふふっと笑った。
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