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「何が分からないのかをまず分からないと、僕も教えようがないよ」
「そうだけどさー。意味分かんない。戦争にでも行くの?」
「簡単に言うと、そうなるかな?」
ニッコリと笑みを浮かべて言ってるけど……。
「戦争って、そんなん聞いたこともないし」
「見えないところで、ね。自分の見えてる範囲だけが全てじゃないって、それだけの事だよ」
零は簡単に言うけど、聞いた事も見たこともない事を理解するって――自分自身の能力についても分からない事だらけ。
その上、それ以外の事も一気に押し寄せてくるなんて、無理。
いくら読み進めても、自身能力の事を分かっていないと飲み込み辛い部分が多くて、少しも分かった気になれない。
「……暗記とか苦手なのに」
「頭で覚える事はそんなに無いよ。身体で覚える、って感じかな? あと――」
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